富岡町が警戒区域になる前、ボクたちも何度か裏道を通ってこっそり自宅に帰ったことがありました。
ホントはもっと早く行きたかったのですが母が臆病でなかなかいけませんでした。
ねこ達にとっては少し遅すぎました。
その時クロは家の後ろで走っているのを見かけました。
はじめて行ったときはフクもコウも見かけましたがなぜか警戒して近づいてきませんでした。
しま次郎は影も形もありませんでした。
避難してから1度も見ていません。なんとか生きていてほしいです。
他の人の元でも幸せであればそれはそれでいいです。
でも、消息不明です。
結果的に自力では1匹も連れて帰ることができませんでした。
母もなんとか家に残してきたねこを助けたいと考え、方々に連絡し、警戒区域でねこの捕獲をおこなっているNPOの方に救出を依頼するようになりました。
捕獲器を使って捕まえてくれるそうでした。
南相馬市を拠点に活動しているにゃんこハウスさんと連絡がつき救出をお願いしました。
数回自宅に行ってもらってまず捕まったのがクロでした。
ちょうど震災のあった年の夏でした。
あの年の夏は、かなり暑い日々が続いていました。
自宅の裏に仕掛けておいた捕獲器にねこが入ったと聞いてにゃんこハウスさんに見に行きました。
捕獲器の中にいたのは間違いなくうちのクロでした。
小さい捕獲器の中でびくびくしていました。
でも、前と変わらない様子で元気でした。
それですぐ借上げ住宅に連れて帰ることにしました。
車の中に入れてみると熱射病にかかっていたのかハーハーと、とても苦しそうでした。
それでコンビニで袋入りの氷を買ってきてタオルでくるみ、籠の中の足元と頭の方に置いてあげました。
やはり暑かったのか氷の上にうまくお腹を乗せていた光景が印象的でした。
家までなんとか我慢してほしいと祈るような気持ちでした。
母が言うには、前と比べると人間に対する警戒心が強くなったとか。
また、少し弱ってしまったということでした。
でも、今でも割と元気です。
にゃんこハウスさんには、捕獲後数日で死んでしまいましたがコウも捕獲してもらいました。
とてもお世話になりました。
NPO団体に関してはいろいろな団体が活動していて問題も生じているようです。
里親の連絡先も控えておかないで勝手に里子に出してしまったり、捕獲したペットの飼育の仕方が雑だったりと。
ただ、にゃんこハウスさんはとても良心的に活動してくれていると思います。
クロ。とても愛嬌があり人懐っこいです。
特に口まわり =^ω^= に愛嬌を感じます。